近年、ノンシリコンシャンプーと同じように、髪の毛に良いシャンプーとして「パラベンフリー」と書かれている商品を見かけるようになりました。
パラベンとは簡単にいうと防腐剤であり、防腐剤がシャンプーに配合されていないから髪の毛に優しい、とPRする商品もあります。
しかし、昔から多くのシャンプーをはじめ、化粧品にも使われてきたパラベンは、本当に悪いものなのでしょうか?
今回は、多くのシャンプーに含まれているパラベンについて詳しく解説します。
セト
今回はパラベンとはどんな成分なのかを美容師が解説します!
ぜひ参考にしてくださいね!
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パラベンはどうして髪の毛に悪いイメージがあるのか
「パラベン」という成分は、刺激性が強く、シャンプーには配合されない方が良い、という意見もチラホラ見かけます。
そう聞くと、刺激性の強いものを頭皮につけるのは良くないと考えてしまうでしょう。
しかし、パラベンはシャンプーにおける保存料であり、配合されていた方がシャンプー内の雑菌の繁殖を防ぐというメリットがあります。
それでもなおパラベンが悪者にされてしまうのは、次のような3つの理由があるからです。
理由その1.防腐剤だから
パラベンは、シャンプーを保管する上で雑菌を繁殖させない「防腐剤」の役割を持っています。
防腐剤と聞くと、私たちのイメージは、あまり良いものではありません。
例えば、食品における防腐剤は、食べ物を腐りにくくさせ、見た目もキレイな状態をキープしてくれるでしょう。
それに対し、「健康を害する」とか「発がん性物質が含まれる」など、恐ろしい内容がしばしば話題になります。
そのため、パラベンがシャンプーを腐敗させないための防腐剤、と聞くと、そのようなものを頭皮につけて大丈夫なのかと不安になります。
セト
シャンプーは基本的に浴室に置くものであり、日々高温多湿の場所にさらされています。
そのため、防腐剤が含まれていなければ、シャンプーはものの3日ほどで雑菌が繁殖し腐ってしまうこともあるのです。
パラベンがシャンプーに含まれているからこそ、高温多湿の場所でもシャンプーは腐ることなく、安心して使うことができるのです。
理由その2.「パラベンフリー」をPRする商品があるから
何かの商品を買うとき「防腐剤無添加」や「合成着色料未使用」といった広告があると、それに惹かれることはありませんか。
同じように「パラベン未使用」とPRするシャンプーがあった場合、いかにも「髪の毛に良さそう」というイメージを持つ人も多いでしょう。
セト
パラベンフリーをうたうシャンプーが出てくると、いかにもパラベンは髪の毛に悪い、というイメージが一人歩きしてしまうのです。
しかし、実際にはパラベンを使っていない商品も、パラベン以外の防腐剤が使われているケースがほとんどです。
先ほども述べた通り、シャンプーは高温多湿、雑菌だらけの浴室に保管されることが一般的です。
防腐剤を一切使わないと、あっという間にシャンプーが腐ったり、カビが生えたりします。
しかも、パラベン以外の防腐剤というのは抗菌力が弱く、配合量を増やさないと防腐剤としての効果は低いケースもあります。
パラベンだからこそ少量の防腐剤で済むところ、パラベン以外の防腐剤を使ったせいで、防腐剤の含有量がさらに多くなってしまうシャンプーも存在するのです。
理由その3.まれに頭皮トラブルが生じるから
パラベンが原因で頭皮にトラブルが起きる、ということは非常に少ないです。
しかし、シャンプーを使う人のなかには「パラベンが原因で頭がかゆい」「パラベンのせいで乾燥肌になった」という意見も少なからずあります。
確かに、パラベンが原因で頭皮トラブルが起きることも否定できません。
しかし、シャンプーにおけるパラベンの含有量は非常に少ないため、実はパラベン以外の成分が原因で頭皮トラブルが生じている可能性も高いのです。
自分の頭皮トラブルが、パラベンが原因なのか、それ以外が原因なのか、見極めるのは難しいでしょう。
ただ、確認する方法としてシャンプー以外の「基礎化粧品」をチェックする方法があります。
パラベンは化粧水やハンドクリームにも多く使われている成分です。
自分の肌に合う化粧品にもパラベンが含まれている場合、シャンプーでのトラブルは、パラベン以外の成分が原因である可能性があります。
セト
パラベン=悪ではないので注意しましょう!
パラベン配合のシャンプーは悪くない
こうして見てみると、「パラベンが含まれている=体に悪い」というわけではないことが分かります。
私たちは「パラベンフリー」「防腐剤無添加」といった宣伝に踊らされ、知らず知らずのうちにパラベンは悪いもの、といったイメージを持ってしまっていたのかもしれません。
ここからは、パラベンが配合されているシャンプーだからこそ、安心して使えるメリットについて見ていきましょう。
パラベン配合だからシャンプーを安心して使える
パラベンには、シャンプーを腐らせることなく、カビや雑菌から守ってくれる役割があります。
そう聞くと、パラベンはものすごい強い殺菌成分のある化学薬品、といったイメージしますが、実はそうではありません。
そもそもパラベンは、化粧品で最も使用されている防腐剤であり、その歴史は80年以上にも及びます。
セト
人に対する毒性は弱いものの、カビや微生物に対しては効果的であり、少量を混ぜるだけで化粧品の長期保存を可能にしてきました。
しかも、パラベンは化学薬品としてではなく、実は自然界にも存在します。
トマトやオリーブオイルなどの植物にも含まれており、パラベンの成分が植物を腐りにくくさせている効果も分かっています。
防腐剤だから肌に悪いのではなく、パラベンが含まれているからこそ、安心して毎日シャンプーができる、と考えることができるでしょう。
防腐剤のなかでも安全性は高い
肌に扱う防腐剤にはさまざまな種類がありますが、パラベンはその中でも安全性が高い成分です。
80年以上にも渡り、多くの基礎化粧品に使われていることもあり、その実績が安全性を物語っているといえるでしょう。
また、基本的にパラベンは水溶性です。
肌に直接つけても、肌のバリア層を破壊して内部まで浸透する、といったことはありません。
パラベンは少量だけでも持続性のある保存力をキープすることができるため、多くのシャンプーで使われています。
パラベンは、髪の毛に対し、直接的に良い効果を与えることはありません。
しかし、パラベンがシャンプーに含まれていれば、髪に良いとされる他の成分の品質を守り、ヘアケアに役立つのです。
そう考えると、むしろパラベンが含まれているシャンプーを取り入れたほうが、髪の毛にはうれしい効果があるといえるのではないでしょうか。
含有量が決まっているので安心
パラベンは、基本的に使用できる量が決められています。
これは日本における「化粧品基準」の制限によるものです。
※参考文献
化粧品中の防腐剤であるパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)の濃度
パラベンの場合、化粧品における含有量は、全体の0.1~0.5%となっています。
100gのシャンプーであれば、パラベンが含まれる量はたったの1gにも満たないことになります。
そう考えると、パラベンが直接私たちの健康に大きな害を及ぼすとは考えにくいでしょう。
また、パラベン以外の保存料のなかには、使用量が制限されていない成分もあります。
セト
ここまでパラベンの安全性についてわかっていただけたかと思います。
こちらは当店4cmで作成した「肌に優しい」をコンセプトに作ったシャンプーですが、パラベンも配合されています。
パラベンは紹介したように防腐剤としての役割があります。
このシャンプーには天然の植物成分やアミノ酸形成分など、肌に優しい成分がたっぷり配合されています。
雑菌が繁殖してそのような成分をダメにしてしまわないためにもパラベンを配合しているんです。
肌に低刺激のものや優しいものを使いたいという方は、ぜひこちらのシャンプーもチェックしてみてください。
詳細はこちらをご覧ください↓↓
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まとめ
今回の記事をまとめると次のようになります。
・パラベンが悪いというのは「防腐剤」というイメージがあるため
・実際には、パラベンはシャンプーの品質を守る役割がある
・パラベンは80年以上前から使われている安全性の高い保存料
・パラベンの含有量には規定があり、人体に影響を及ぼすことはほぼない
パラベンフリーというシャンプーを見ると、一見パラベンは悪者である、というイメージを持ってしまいます。
しかし、実際にはシャンプーを雑菌やカビから守る役割をもっており、含まれている量もきわめて少ないのです。
特に頭皮トラブルが生じる、といったことがなければ、パラベンが配合されたシャンプーを今後も安心して使っていきましょう。
セト
また何か質問などありましたら、美容室4cmではお問い合わせフォームでご相談を受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございました!
以上「シャンプーに配合されているパラベンは悪いもの?美容師が徹底解説!」でした。
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